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2009/09/05

カリスマから黒子の時代へ

 カリスマ的人気が政治の行方を決めるのは、人々の価値意識の画一性が高い時代、喩えていうなら、自民党の一党支配や、すべてをカネの価値で測る徹底した物質主義、消費社会に無批判な時代だ。

 自己実現というものが、人気取りとカネで買える物の豊かさに集中している時、また、不幸の原因が物質的な貧しさそのものの強要から生まれている時、インセンチブをチラつかせるカリスマが人気を得る。

 民主党は、消費者優先、有権者の声をもとに日本の政治を変える(CHANGE)と言って、圧勝した。

 日本に新しい時代が来るのが楽しみだ。

 新しい時代、有権者の声が平等に聞かれる時代は、黒子が暗躍しなくてはならない時代だと思う。

 メディア、市民運動を率いる知識人たちが、どれだけ「黒子」になって、有権者の声を届けるパイプ、ファシリテーターになれるか、が問われる社会だ。

 王様も、ポップシンガーも、政治家も、主夫や主婦も、女も男も、パートタイマーもフルタイマーも、若者も高齢者も、部下も上司も、みんなが、「普通」の人として、大声でではなく、また、人気者にならずとも、「普通」に声を上げられる社会。それを作っていけるのは、一人のカリスマではなく、複数の黒子たちだと思う。

 そして、そんなことがより多くの人々に認められている社会、それが、地球全体にやさしい、格差のない、未来の世界社会だと思う。